ぺダモニ、アシオマ、タックスネオ、パワーメーター比較

機材インプレ

Zwifter の皆さんは兎に角パワーのことを考えていると思います。パワーを測定する機材と言えばパワーメーターですが、最近はとても安価になってきたこともあり(過去と比較してですが)、トレーニングやペーシング、そして Zwift に使用している方も多いと思います。ところで、このパワーメーターにはある問題があります。試したことがある方は良くご存じだと思いますが、違うメーターで同時に測定を行うと平気で数値がズレます。

この問題、パワーメーターの黎明期~普及期から取りざたされている手垢がつきまくった話題でもあります。海外のブログでは、新型の安価なパワーメーターが出る度に由緒正しい(一番高級な)SRM のメーターでベンチマークしているような内容の記事を沢山見れると思います。それも、最近はもう絶滅しているレベルかも知れませんが…

トレーニングの指標にする目的であれば、他のパワーメーターとのズレは実用上ほとんど問題にならないと思います。自分が強く漕いだ時にちゃんと高いパワーを返してくれれば十分で、そこの再現性さえ取れていれば問題ないからです。他のメーターと比べる必要はありません。この問題が再び鎌首をもたげてくるのは、パワーメーターの値自体を使って勝敗を競う Zwift レースで使用されるときです。一般的なパワーメーターのスペック上の誤差範囲は±1~3%程度だと思います。FTP 300 Wの強力なライダーの場合、その誤差範囲は±9 W=18 Wにもなります。パワーメーターをお持ちの方にはご理解いただける感覚だと思いますが、FTPが20 Wも違うと完璧な別人になってしまいます…。そして、自分の経験や伝聞ではありますが、メーカー差や個体差によってこの程度の誤差は実際に十分あり得るという感覚です。これではモヤモヤして Zwift に集中でき

ようやく本題です。私は最近、Favero 社の Assioma というとてもコストパフォーマンスに優れる(と感じている)ペダル型のパワーメーターを購入しました。また、元から使用していた Pioneer のペダリングモニターとスマートトレーナー Tacx の Neo Smart が手許にあります。 かなりの周回遅れではありますが、 これらのパワーソースに対して古くて新しいパワー比較計測を行いたいと思います。

Zwift Power Analysis

パワー比較の分析には Zwift Power のAnalysis という機能を使います。Twitter のフォロワーさんに教えていただきました。ありがとうございます。

右上の「Analysis」タブから、 Zwift レースと別のサイコンで記録した任意のデータを比較分析する機能を使用できます。この比較分析は自分にだけ閲覧可能にすることも公開することも可能です。注意点としては、データは Fit 形式のみ対応のようです。Strava や Training Peaks からはダウンロード不可能なので、各サイコンメーカーのアプリケーションからダウンロードしました。(それほど難しくないと思いますが、このあたりのやり方も後ほどまとめたいと思っています)

上図は「Analysis」 の一覧画面です。3種類のパワーソースをアップロードして作成したものが一つだけ登録されています。短めのフラットレースの前半20分間、パワー測定も兼ねて積極的に前を引いてみました。公開状況はオープンです。結果発表と順番が前後しますが、こちらから確認してください!

パワーソース紹介

今回の測定で使用したパワーソースを簡単に紹介します。

Pioneer ペダリングモニター

Pioneer ペダリングモニター 仕様

Pioneer ペダリングモニター 特徴

  • 左右独立計測
  • 30度毎に12か所で 「力の大きさ」と「力の方向」を計測
  • 精度 ±2%
  • IP66/IP68相当の防水・防塵性能
  • 駆動時間180時間
  • 電池交換式 CR2032
  • ゼロ点校正の温度学習機能( Cyclo-Sphere解析画面のデバイス情報で確認可能 )

Favero Assioma Duo

Favero 製品紹介ページ

Favero Assioma Duo 仕様

Favero Assioma Duo特徴

  • 左右独立計測
  • Instantaneous Angular Velocity
    ⇒ 瞬時の角速度を計測し、楕円チェーンリングやペダリングの影響を受けにくい
  • 精度 ±1%
  • IP67 相当の防水・防塵性能
  • 駆動時間50時間
  • 電池充電式 付属のマグネット付きケーブル端子を使用
  • Automatic Temperature Compensation (自動温度補正機能)
Favero 製品紹介ページ

Tacx NEO Smart

Tacx 製品紹介ページ

Tacx NEO Smart 仕様

Tacx 製品紹介ページ

Tacx NEO Smart 特徴

  • 校正不要
  • 精度 ±1%
  • 電源不要(下り坂再現時のみ電源必要)
Tacx 製品紹介ページ

まとめ

精度校正特徴
ペダリングモニター ±2% ゼロ点温度学習荷重ベクトル表示
Assioma ± 1% 自動温度補正瞬時角速度計測
NEO Smart ± 1% 不要電気的パワー測定

AssiomaとNEOの精度が高いです。各社が何と比較して精度を測定しているのか定かではありません。Assiomaは瞬時の角速度を計測しており、楕円チェーンリングやペダリングによるクランク速度の変動の影響を受けにくいことをアピールしています。また、一般的なパワーメーターがひずみ測定と加速度測定を組み合わせてパワーを計算してるのに対して、NEOはハブの電気モーターを利用してもっと直接的にパワーを計測していると思われます。これらの技術を採用していることから、 AssiomaとNEOの2種の精度が高いのは予想と合致します。

ペダリングモニターとAssiomaは荷重を計測するためにひずみゲージを用いています。クランクやペダル軸は温度変化で伸縮するので、荷重を与える前のひずみゲージの初期長さが変化してしまいます。これを補正するために、多くのパワーメーターには校正機能が用意されています。校正後に温度が変化した場合に自動で修正する機能をペダリングモニターとAssiomaは備えています。これは個人的にはとても重要な機能です。この機能がない機種では、例えばロングライドで早朝に出発して昼まで走行した場合、ライド終盤のパワー計測は実際から大きくずれてしまうと思います。NEOはなんと校正が必要ない唯一のトレーナーということをうたっています!ひずみゲージを採用しておらず、フライホイールやベルトなどの摩擦を生じる部品も一切使用していないことで実現された技術だと思っています。

パワー比較結果発表

前置きが長くなってしまい、申し訳ありません。Zwift Power Analysisを使って出力させた比較結果は以下になります!

パワーメーター比較 時系列パワー

パワーデータの時系列グラフを表示させました。短距離のZwift レースでパワー測定を行っています。図の10分ごろにレースがスタートし、パワーが上がっています。30分ごろまでは集団の先頭を積極的に引いて20分パワーの計測も同時に行ってみました。30分ごろに一度パワーが下がり、以後のパワー変動が多きくなっているのが見えます。集団内に戻り繰り返しアタックをしかけたり、アタックに対応していた動きだと思います。最後にスプリントに向けてペースが上がり、スプリントで最大パワーを記録しています。

気になる点は、紫のZwiftのパワー値が2度0Wに下がっていることです。今回はZwiftのパワーソースはAssiomaを使用していました。サイコンとAssiomaの接続は問題ないものの、Zwiftとの接続が瞬間的に2度切断されてしまっていたことを表しています。実験のために、メーター3台とサイコン3台、さらにZwiftをPCで起動していたため、電波的に不安定な状態になっていた可能性があると思います。接続の安定感というのも今後検証していきたい内容です。(実はZwifterにとって一番の死活問題かもしれませんw)

パワーメーター比較 MMP一覧表
パワーメーター比較 MMPカーブ

続いてMMPの記録です。Zwift Power Analysisでは、一覧表とカーブの両方が表示できます。

全体的な傾向としては、ぺダモニ>Assioma>NEOの順にパワーが高いです。まずNEOがとても低い理由ですが、チェーンの駆動抵抗によってパワーをロスしていることが原因と考えられます。実験によればチェーンの駆動抵抗は5~10 W程度と思われているので、数字の大きさ感的には説明になりそうです。チェーンの清掃・注油前後でパワーのずれに変化があるのかを見ても面白そうです。低パワーで差が大きく、高パワーで差が小さくなる原因は良く分かりません。

次に、ぺダモニとAssiomaの差です。この測定ではぺダモニが10 W程度高い値を示しています。原因としては乗り手の左右差が考えられます。実は私のぺダモニは最近右側が故障してしまったらしく、非常に高い値を測定するようになってしまいました。そこで、今回の実験では左の計測値をサイコンで2倍して記録しています。仮に左右差が51:49の場合、300 W⇒294 W程度の修正が入ることになります。私の考えでは、10 Wの内、5 Wは左右差が原因、残り5 WがAssiomaとぺダモニのズレではないかと考えています。

そういえば、ツイッターでこのようなコメントをいただきました。数値的にも完全に同じ傾向。検証数が少ないのではっきりとは言えませんが、このことからAssiomaはぺダモニよりやや厳しいと思っています。

まとめ

今回の検証結果では、パワー測定値は、

ぺダモニ > Assioma > NEO

という結果になりました!

  • ぺダモニとAssiomaの差は5 W
  • AssiomaとNEOの差は5~10 W(チェーンの駆動抵抗程度)

その後、何度か同時測定を行いました。ズレの値自体は毎回かなり変動しますが、この順番が入れ替わることは一度もありませんでした。ツイッターや伝聞で聞こえてくる印象とも合致しているようです。とはいえ、やはり個体差はあると思います。この結果から「どの個体でもぺダモニが一番パワーが高い」といえるようなレベルではないので、あくまで参考程度の情報と思っていただければと思います!

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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